「最近は・・・昼間も聞こえるの・・・今も・・・」
頭の中で止まることなく続く言葉。
「・・・怖い・・・怖い・・・」
今まで我慢していた感情が一気に溢れ出してルルの瞳から涙が溢れでる。
それを見たユエはルルを抱きしめる。
「・・・ユエも出てくるの・・・何を言っているのかわからない。聞こえないの・・・でもルルはユエの聞こえない言葉が一番怖い・・・・」
「・・・ルル・・・」
小さな身体は震えが止まらない。
ユエはそんなルルを見ていてつらくなった。
毎日続く言葉がルルを苦しめて今にもルルは壊れてしまいそうだった。
「聞こえている言葉を全部言って」
「・・・ぇ・・・?」
ユエの言葉にルルはユエを見上げた。
「溜め込まなくていい。一人で我慢しないで。僕も一緒に聞くから。」
ブラウンの瞳が優しく弧をえがいた。
「・・・」
ルルは小さく口を開いた。
ずっと続く言葉をルルは震えながら言い続ける。
ルルが言い続ける言葉を聞いてユエは優しく、その言葉を否定し続けた。
しばらくするとルルは口を閉じた。
「・・・ルル?」
ユエがルルを呼ぶとルルはユエにきつく抱きついた。
「どうしたの?」
「・・・ユエ・・・ずっと一緒にいたい・・・」
「ルル・・・」
「・・・ユエといたい・・・」
頭に聞こえている言葉がユエの否定で聞こえなくなっていた。
「・・・ルル・・・」
ユエはルルを優しく抱きしめる。
「・・・ルルがそんなこと言ってくれるなんて嬉しいよ・・・」
「・・・」
しばらくルルは何も言わずにユエに抱きついていた。


