血が吸えない吸血鬼。




『うちらが働いているときに随分贅沢してたみたいだな!』




「・・・ゃ・・・・ぃゃ・・・・なんで・・・・聞こえるの・・・」



聞こえる声にルルは震えだす。




すると、久しぶりに帰ってきたユエが部屋に入ってきた。




「ルル・・・・?」




入ってきたユエは自分に気がつかないルルを不思議に思う。




そして震えているのに気がつくとユエはルルを抱き上げる。




「・・・・ルル!どうしたの?」




「・・・・ユエ・・・・」



ユエを見たルルはビクリと震えた。




「・・・ち、違う・・・夢じゃない・・・・今は違う・・・」




ルルは頭を横にふる。




ユエは瞳が充血していて隈があるルルを心配した。




「ジルバ!なぜルルに隈がある!」





ユエがジルバを怒鳴る。




「や、やめて!」




ルルがユエに声をあげる。




「・・・・・ジルバは悪くないの・・・・ルルが悪いの・・・・だから怒らないで・・・・」




ルルは泣き出す。




「・・・・ジルバは悪くない・・・全部ルルが悪いから・・・・」




「・・・・ルル、泣かないでおくれ・・・」




ルルを宥めて泣き止ませる。




「・・・ユエ、お帰りなさい・・・」




ルルは小さく笑って言う。




「・・・・」




ユエは果物と酒を飲みながら、ルルの髪を撫でた。




ジルバから寝付けていなくて食事も拒否することをユエは聞いた。




「・・・」




「ルル?口を開けてごらん?」




ルルは小さく口を開いた。




ユエはルルの好きな果物を口に入れた。




「・・・!!?」




ルルは口に入れられた果物を飲み込む。





「ユエ・・・ルルは・・・」




「ほら、また口をあけて?」




「ユエ・・・・ル・・・」




ユエはルルが話しているうちにまた果物を口に入れた。




ルルはまた果物を飲み込む。




「ユエ・・・・!ルルは・・・・」




「ルル、なんで食べないの?」




「・・・・え・・・」




「ルル、きちんと食事をしなきゃいけないんだよ?」