ユエに優しい言葉をかけられて、抱きしめられてやっと寝つけるルル。
ユエにどんなに大丈夫と言われても悪夢は見続ける日々が続いた。
『要らない子』
『不幸にしているのはいつもお前』
『出来損ないのくせに』
母親、フラン、奴隷管理職、たくさん言われ続けられた言葉が飛び交う。
決まっていつもユエも出てくる。
冷たい瞳のユエ。
夢は現実じゃないかと思わせるほど毎日リアルだった。
ユエが何が口を開く。
その言葉はいつも聞こえない。
でも一番痛い。
そこで決まって目を覚ます。
「はぁはぁ・・・・・・・・う・・・うぅ・・・」
目を覚ましては涙が流れる。
ユエがいない日はその後寝付けない。
「・・・っぅぅ・・」
真っ暗な部屋の中にルルは小さく体育座りをする。
「・・・・」
やがて朝が来る。
「・・・」
ボーと明るくなる外を見つめた。
「ルル様、起きていますか?」
ジルバが部屋をノックする。
「・・・ジルバ・・・」
ルルは小さく返事をする。
「・・・ルル様、また寝付けなかったのですか?もう何日も続いています、大丈夫ですか?」
ルルの瞳は充血していて見れば寝れていないことはわかる。
「・・・・ごめんなさい・・・・」
「ルル様が謝ることではありません・・・!」
ジルバはルルを着替えさせて、朝食を並べる。
「・・・・ルル・・・こんなの食べられない・・・・」
悪夢を見るようになってからルルは贅沢なものを拒否するようになった。
奴隷の頃からは考えられない食事もそうだ。
「・・・ルル様・・・」
ユエが何日か屋敷を開けているからルルは拒否することが多くなっていた。
「・・・食べられない・・・ルル・・・・食べられない・・・・」
「・・・ルル様、何か少しでも食べていただかないと・・・・お体が・・・」
「・・・だめ・・・食べられない・・・」
ルルは頭の中に聞こえる言葉に耳を塞ぐ。


