血が吸えない吸血鬼。




「・・・」




ルルは何も言わずにユエを見つめた。




「・・・ルルは良い子だよ?きちんと思いやりがあるし僕はルルが居てくれて嬉しい」




「・・・本当に・・・?」




ルルは首を傾げる。




「ああ、本当に」




ブラウンの瞳が弧を描く。




ルルはユエの首に腕を回して抱きついた。




「・・・・」




ユエはルルの頭を撫でた。




「僕にはルルが必要なんだよ?だから要らないとかそんなことない」




「・・・うん・・・ありがとう、ユエ・・・」




ルルはユエを見つめて微笑んだ。




「やっと笑ってくれたね。」




「・・・ひゃ・・・」




ユエがルルの頬にキスをした。




ルルは赤くなってキスされた場所を手で触る。




「・・・ユエ・・・・!!?」




「ん?」




ルルは真っ赤になってユエから視線を外す。




ユエにとってキスは挨拶なのかな・・・・。




本の中は好きな人にする行為なのに・・・・。




ルルは悶々と一人考えていた。




その日の夜中にルルはまた悪夢を見た。




「・・・・」




ユエは静かに眠っている。




「・・・・」




ルルはユエに密着する。




「ん?」




すぐに、ブラウンの瞳が開く。




「・・・ルル?怖い夢を見たの?」




微かに震えるルルをユエは抱き締める。




「・・・大丈夫だよ、ルル」