「・・・は、ぃ・・・」
ルルの今居る環境は居るべきところではない・・・。
「ユエ様は確か今は・・・奴隷管理職のまとめ役」
奴隷管理職・・・・。
血が引く感じがした。
思い出したくなかった。
押さえ付けられて血を貪られる恐怖。
「・・・・」
自分の着ている服をギュウと握りしめた。
家庭教師が終わってジルバが部屋に入ってきた。
教師はいい顔をして出ていった。
「・・・ルル様・・・?顔色が優れませんが大丈夫ですか・・・?」
「・・・・ぁ・・・はい。・・・大丈夫です・・・。」
口の中がパサパサする感じがする。
ジルバもルルなんかより身分がいいのに・・・ルルに使えてる・・・。
「・・・?・・・ルル様??どうかされましたか・・・?」
「ルル、家庭教師はいい子に出来たかい?」
音もなくユエが入ってきた。
ジルバはお辞儀をしてルルを心配そうに見て部屋を出た。
「ルル・・・?」
「は、ぃ。」
少し震えた声にユエは反応した。
ルルに近づく。
するとルルはガタガタと椅子から立ち上がってユエから離れる。
「ルル・・・どうして逃げる?近くにおいで・・・」
ルルは首を横に振る。
「・・・ユエ様・・・汚れます・・・ルルは・・・奴隷です・・・」
ルルの口調に言葉にユエは眉間にしわを寄せた。
「・・・ルルは・・・出来損ないです・・・ユエ様には触れな・・・・」
途中で喋れなくなった。
体が動かなくなった。
ユエが人差し指を立てただけで。


