「・・・」
ルルは痺れてる体で崖に立たされていた。
谷の底は流れの速い川がある。
ルルは震えていた。
ドンと押されるとルルの体は宙に一瞬浮いた。
「きゃ・・・」
次にはもうルルは谷に落ちていた。
ドボン!と川に落ちると手足が縛られていて身動きがとれなかった。
苦しい・・・・!
口の中に水が入ってきて息が吸えない。
ユエ・・・・!!!
次の瞬間にはもうルルは水に飲まれていた。
そんな時ユエが谷に着いた。
見渡してルルの姿が見えないとユエは谷に下降した。
「ルル・・・!!」
流れの速い川でユエはルルが見つけられなかった。
すると一瞬だけ先で水面が光る。
ユエはそこに目掛けて川に潜った。
ユエはルルの金髪を見間違えていなかった。
ユエの腕の中にはグッタリしたルルがいた。
「ルル!!!」
何回も呼ぶとルルはゲホゲホと口から水を吐いた。
「・・・・・ユエ・・・ユエ・・・」
うっすら開かれた瞳は直ぐに大きく開かれてポロポロと涙を流した。
「・・・良かった・・・」
ユエはルルをしっかり抱き締めると谷の上に戻る。
そこには顔を青くするルルの両親がいた。
「お、お許しください!!!」
「・・・」
水で濡れた髪をかきあげるとユエは冷たく言い放つ。
「もうお前たちとは一生会わないだろう」
すると両親は泣き崩れた。
そしてルルを生んだ母親がルルに向かって叫んだ。
「この不幸は全部お前のせいだ!!!!」
ユエは到着した馬車に縄をほどいたルルを毛布でくるんで乗せて、自分も乗り込む。
馬車は二人を乗せると走り出した。


