血が吸えない吸血鬼。




要らない・・・。



「あなたが生まれてから不幸続きなのよ!あなたなんか要らないの!!」




そうなんだ・・・。




「はやく縛って連れて行って」




ルルは縄で縛られて馬車に乗せられた。




「じゃあ、私達は最期を見てくるわ。」




「お父様お母様いってらっしゃい」




ガタガタと揺れる馬車に揺られる。




ルルはどこでも要らない・・・。




・・・
・・




朝方。




「ルルを迎えに来たんだけど」




ユエはルルを迎えに来ていた。




するとフランが慌てて出てきた。




「ユ、ユエ様!?約束はお昼のはずでは?」




まだ両親は帰ってきていなかった。




「ルルがいないと静かすぎてね。」




「お、お姉ちゃんはまだ寝ています。」




「・・・そう」




「お姉ちゃんが起きるまでお茶でもいかがですか?」




「・・・ねえ、君さ嘘ついてるよね?」




ユエの瞳がギロリと光る。




フランは声をあげた。




「そんなこと!」




「・・・はやく言ったほうがいいよ・・・」




ユエの周りが異様に冷たく感じる。




「・・・・っ!なんでアイツなの!!?あんな出来損ない!!!」




ブラウンの瞳が冷たく光る。




「ルルは優しい子なんだ。・・・はやく居場所を教えて」




フランの体は動かなくなった。




「・・・谷・・・。屋敷から西に行った谷に捨てるって・・・」




それを聞いたユエは急いで屋敷を出た。




「西の谷だ!はやく!」




ユエは黒い羽を出して飛び出した。




馬車に伝えるとものすごい速さで西に飛んだ。




・・・
・・