血が吸えない吸血鬼。




「お姉ちゃん、お庭に行かない?」



フランはルルの手を引っ張る。



「・・・ぇ・・・ユエ・・・」



「ルルは余り長く歩けないから。」



そう行ってルルを引き寄せた。



「じゃあ、私のお部屋で本を読みましょう!?」



「・・・ぇ・・・」



ルルはフランに引っ張られて行ってしまった。



少し歩くとフランの部屋に入る。



壁にはたくさんの本棚。



「・・・すごい」



「お姉ちゃんはここに座ってて!私が本を持ってくるから!」



そう言うとフランは本棚からたくさんの本を抱えてくる。



「面白いの!絶対にお姉ちゃんも気に入る!」



「・・・ありがとう・・・」



渡された本は本当に面白かった。



読んでいるうちに時間を忘れてしまった。



「ルル。帰ろうか」



ユエの声でルルは我に帰る。



「・・・うん」



読みかけの本を机に置こうとしたら、フランが言う。



「お姉ちゃん、持って帰っていいよ!また来るときに返してね」



フランは笑顔で言う。



続きが気になっていたルルは笑顔で頷く。



「ありがとう・・・フラン」



・・・
・・




それから何回もルルは両親の屋敷に出かけた。



「ユエ・・・遅くなってごめんなさい・・・」



ユエより帰りが遅くなることもあった。



「楽しかった?」



「うん、今日はみんなでお昼を食べたの」



「そう、それは良かった」



ユエはルルの頭を撫でる。



「・・・それでね、今度泊まりに来ないかって・・・」



ルルは遠慮気味に聞いた。



「行きたいんだね?」



ルルはコクリと頷く。



「ルルが行きたいなら行けばいい」



「・・・本当に!?ユエありがとう」



泊まりに行くためにルルはお土産をたくさんユエに持たされた。



「じゃあ、明日迎えに行くから楽しんできてね」



「うん」



ユエはルルの頬に唇を軽く当てた。



「いってらっしゃい」



笑顔のユエに対して、ルルは顔を真っ赤にしていた。



「・・・・・」



ルルが出かけると、ユエは屋敷の中に入る。



「よ!今日はお前の可愛い子ちゃんいないのか!?」



タオがユエの部屋のドアを開けた。



「ああ、そうだよ。」



無表情でタオを見ずに答えた。



「・・・退屈そうだなーユエ」



タオがユエに寄る。



「久しぶりにパーティーに行かないか!?」



「パスする」



「はーノリ悪いな!お前あの子居なくて寂しいのかよ~」



ユエはパタンと本を閉じた。



「・・・寂しい?ハズレ。寂しいとイライラしてるよ。」



「機嫌が悪いのかよ!俺帰るからな!」