しばらく進むと、ユエの部屋の前に来た。
熱でボーッとする頭のままルルはドアノブに手をかけた。
「誰だ!・・・ルル!?」
ドアを開けられて見えた顔は顔色の悪いルル。
ユエはすぐにルルを抱き上げる。
「・・・ユエ・・・」
「どうして・・・」
ユエはすぐに自分のベッドにルルをおろした。
ルルはユエにしがみつく。
「・・・」
「ルル・・・離して」
ルルは首を横に降る。
「・・・やだ・・・やだ・・・」
「・・・俺が怖いんだろう?」
「・・・違う・・・あれは・・・吸血思い出すから怖いの・・・ユエは怖くない・・・
!」
ルルは必死にユエにしがみつく。
「・・・ルルは神様からも嫌われてる・・・死にたくても死なせてくれない・・・・ユエからも嫌われたら・・・ルル・・・どうしていいかわからない・・・」
紅い瞳から涙が溢れる。
ルルの頭の中には冷たい視線の管理職、奴隷。
''お前の価値は血だけ''
''苦しいか?いい気味''
「・・・ルルは血だけしか・・・・価値がない・・・苦しんでればいいの?・・・ルルは・・・必要じゃない・・・ユエに思われるのが・・・一番嫌・・・」
ルルは声を出して泣き出す。
ユエは優しくルルを抱きしめる。
「・・・思ってないから・・・ルルは大事な子なんだから」
ユエは泣き止むまでルルを抱きしめた。
・・・・
・・・
・・
・
「・・・」
次の日の朝、重たい瞼を開けると目の前にはユエがいた。
「・・・」
ルルはモゾモゾとユエにくっついた。
ルルは瞳を開けているのがツラくてまた瞳を綴じた。
「ん・・・」
ユエが瞳を開く。
「・・・ユエ・・・?」
ルルはユエの声に瞳を開ける。
ユエが手のひらをルルのおでこにあてる。
「熱があがってる・・・ルル寒い?」
熱で潤んだ瞳から流れる涙をユエは指で掬う。
「少しだけ・・・」
「まずは食事だな。ルル、一回部屋に戻ろう。ジルバが朝食を運ぶだろうから」
ユエは自分の外出用の温かい上着をルルに羽織らせてルルを抱き上げた。
ルルはくたりとユエに身を預けている。
あまり力の入らない手でユエの服を掴む。
ユエは弱るルルを抱いて部屋を出る。
「・・・はぁはぁ・・・」
苦しいのかルルの息が荒い。
「大丈夫?」
ルルは小さく頷いた。
部屋に着くとジルバが食事を運んでいたのど同時だった。
ジルバはぐったりとしたルルを心配する。
「ルル様・・・」
部屋に入ってベッドに寝かせるとジルバは擂り潰した果実をスプーンで掬ってルルの口に入れる。
「・・・」
数口食べるとルルは口をとじた。
「・・・も・・・食べれない・・・」
ジルバの持つ容器にはまだたくさん残っている。
「・・・ルル様もう少し食べてください。」
口元にスプーンを持っていく。
ルルは小さく口を開いた。
ユエは様子を見ていたが、部屋を出ようとした。
「・・・ユエ・・・・行かないで・・・・ここにいて・・・」
「ルルが食事が終わる頃にまた来るから。」
そう言ってユエは部屋を出た。
・・・
・・
・
食事が終わってルルはベッドの中で寝ていた。


