血が吸えない吸血鬼。




現実・・・。



「貴様!」



「ユエ怒らないで、それじゃあ」



紅い髪の毛の人がいなくなると部屋は静かになった。



「ルル・・・」



「・・・」



ルルは無言で震えて泣いていた。



「ごめん。全部俺のせいだ。」



「ユエは・・・ユエは・・・」



優しいユエと怖いユエがグルグル回って分からなくなってくる。



「ユエはルルが信じられなかったんだよね・・・ルルが悪い子だから」



「ルルは悪い子じゃないよ」



「・・・本当にそうかな・・・」



ルルはまた悲しそうに笑う。



それからルルは静かになった。



余り会話もしない。



毎日ベッドの中で本を読んでいた。



「ルル・・・」



「・・・」



ユエは頻繁に顔を出す。



「ご飯はきちんと食べた?」



「うん・・・」



「じゃあ、今日は中庭に行こうか。」



「・・・」



ルルは首を横に降る。



「ルル・・・本読んでるから行かなくていい。」



「・・・そう」



そんなある日丸1日ユエが顔を出さなかった。



「お仕事が忙しいんだよね」



そう最初は思っていたけれど、段々違う考えが頭を埋め尽くした。



ルルには会いたくないのかな。




そうかもしれない。



神様はルルがいなくなることも許してくれない。



「・・・わぁぁぁぁん」



誰もいない夜中に声を出して泣いた。



いくら叩いても痛くならない脚。



「ルルなんか・・・ルルなんか・・・いなくなればいいのに・・・・」



ドアが開く。



「・・・ルル?!どうしたの?」



ユエがやってきた。



上着を着たままだった。



「ごめんね、今日は仕事が忙しくて。・・・ルル、どうして泣いているの?」



「なんでもない・・・」



すると、ユエはルルを抱き上げる。



「なんでもなくて泣くわけがない。どうしたの?言ってごらん。」