歩いていると何かに躓いた。
「・・・」
ユエは雪を掘る。
「ルル!!!」
そこに冷たいルルがいた。
ルルの濡れた薄いワンピースを剥ぎ取るとユエは自分の着ていた温かい上着をルルに着せた。
「・・・死なせない。」
ルルを抱き上げるとユエは来た道を戻った。
奴隷の働き場所に戻った。
「今すぐ風呂にお湯を溜めろ!」
ユエはテキパキと指示を出す。
お湯が沸くまで暖炉の前で温かい毛布に包んだルルを抱き締めていた。
ピクリとも動かないルル。
「・・・」
ユエは顔色を変える。
ルルが息をしていない・・・!
ユエは必死に人工呼吸を繰り返す。
体も冷たいままだ。
「ルル・・・」
何回も続けていたら微かに息を始めるルル。
「よかった・・・」
「ユエ様、お湯の準備ができました!」
ユエはルルを浴槽に入れる。
脚も首筋も傷だらけだ。
温かい浴槽にしばらく入れていたら体が温まってきた。
ユエはルル用に持ってこさせたドレスを着させて、温かい上着を着せて更に毛布で包んだ。
「ルル・・・帰ろう」
馬車に乗り込んで、北を後にした。


