ユエがいる。
『ユエ・・・』
言葉は返してもらえない。
これは夢だから。
ユエ会えて良かった。
大好き。
何回言っても足りない。
ありがとう。
・・・
・・
・
「・・・」
鐘が鳴る前、ルルは目が覚めた。
・・・。
首筋からの血が止まってない。
窓の外は吹雪いている。
ルルはフラフラと部屋を出る。
裏口の鍵をあけて、先が見えない吹雪の中、外に出た。
寒い・・・。
風で真っ直ぐ歩けない。
しばらく歩くと雪に脚を取られて転んだ。
・・・もうここでいい。
ルルが立ち上がることはなかった。
・・・・
・・・
・・
・
ユエが使いを連れて吹雪の中に奴隷の働き場所についたのは起床の鐘がなった後だった。
「こ!これはユエ様・・・何かご用ですか?」
「金髪の紅い瞳の女だ。」
「は、はい?」
「貴様らが血を貪った女を呼んでこい!」
管理者は震え上がって走っていく。
ルル・・・どこだ。
ユエは歩き回ってルルを探すが見つからない。
「ユ、ユエ様・・・女がおりません・・・」
・・・ルル!
「・・・ルルの血の匂いがする」
ユエは匂いを辿ると裏口で途絶えていた。
まさか・・・。
裏口を開けると吹雪が勢いを増している。
ユエは吹雪の中を進み始める。
「ユエ様!?危険です!お戻りください!!」
声がユエに届くことはなかった。
ユエは吹雪の中ルルを探す。
吹雪のせいで匂いが消されている・・・。
「ルル!!どこだ!」
避けんでもすぐに吹雪に声は消される。


