血が吸えない吸血鬼。




「ん・・・」



ルルの紅い瞳を開くとユエはいない。



ルルは起き上がって辺りを見回す。



暖炉の火だけがパチパチと音をたてる。



「・・・お仕事かな・・・」



自分の手で乱れた髪をとく。



お仕事だから・・・割りきるつもりで自分に言い聞かせても胸はチクチクと痛む。




すっかり暗くなった部屋に明かりをつけて、ルルは本を読む。



字が読めるようになってからルルは読書をすることが多かった。



知らないことを知れるし、童話を読むと幸せな気持ちになれるからだ。



「・・・様、・・・ルル様」



「ジルバ・・・」



本を読みふけると周りがよく見えなくなる。



ルルはジルバに謝って立ち上がる。



「お風呂に致しましょう」



「うん」



広いお風呂には毎日花びらが浮いている。



今日は真っ赤なバラだ。



あ・・・同じ色だ。



ルルは瞳に手をかざす。



ユエと他の吸血鬼とも違う、ルルの・・・。



少し悲しくなるけれど、ルルは考えないように頭をふる。