血が吸えない吸血鬼。




手入れされた花が綺麗に咲く庭。




すると、屋敷の門が開いて馬車が入ってくる。




「ユエ様が地方のお仕事からお帰りになったのですね」




・・・ユエ。




ルル・・・元気になってない・・・・。





また・・・あの顔される・・・・。




ドクドクと心臓が煩い。




ルルは少し後ずさりする。




すると、馬車が止まってユエが下りてきた。




「お帰りなさいませ」




ジルバはユエに頭を下げて挨拶をする。




ルルはユエが見れなかった。




ユエがルルの手首を掴む。




ビク・・・・。




「ルル、この前より痩せたね。この前言ったこと、忘れたの?」




・・・違う・・・。




ユエの言葉がルルに突き刺さる。




ズキズキお腹が痛い。




「・・・ルルは悪い子だね」




・・・悪い子・・・。




「・・・ごめんなさい・・・・」




「ジルバ、食事の準備」




ユエがジルバに言う。




「・・・は、はい。」




ジルバはルルを心配そうに見る。




「久しぶりに二人で食事をしようか?」




ユエの言葉が全部刺さる。




・・・
・・





テーブルに並べられた料理。




ルルはまだユエが見れなかった。




「それじゃあ、頂こう」




ルルはすごく少しずつゆっくり口の中に食事を運ぶ。




カチャカチャという食器の音しか聞こえない。




「・・・・っ・・・」




ルルは口を押さえる。




「!!ルル様!!!」




ジルバが慌ててルルに近づいて空の袋を差し出す。




「ルル・・・?」




「・・・っ・・・・っふぇ・・・」




ガタッ!!




ユエが席を立つ。




苦しさからルルは泣き出す。




「・・・ふぇ・・・・ぇぇ・・・っ・・・う・・・」