すると奴隷管理職の吸血鬼たちがルル目掛けて走ってくる。
ルルも走り出す。
なんで?どうして?
ルルが逃げていなくなった廊下ではフィリが怪しく笑っていた。
フィリが指を鳴らすとユエは消える。
「こんな幻想に騙されるなんて・・・」
一方ルルは走りつづけていた。
屋敷の玄関の扉を開けて屋敷の外に飛び出した。
ルルはユエのあの瞳が忘れられなかった。
・・・私は奴隷以外なんでもない・・・。
「浮かれてた、馬鹿だなぁ・・・」
ルルは街の裏路地に逃げ込んでいた。
乱れる息を整える。
それにしても不気味だった。
裏路地にしても静かすぎる。
こんなに静か・・・・。
不思議に思っていると頭上から声がした。
「兄ぃ、獲物ですよ」
「そうだなあ」


