血が吸えない吸血鬼。




フィリの指がルルの輪郭をなぞる。




「ユエはあなたなんかどうも想ってない。」




クスリと口角があがる。




「ただの奴隷。それ意外の感情なんてないのよ?」




・・・ただの奴隷・・・・。




するとコツコツと足音が聞こえる。




「・・・」




振り向くとそこにはユエがいた。いつもと違う。




「・・・いい加減奴隷で暇つぶしも飽きた・・・」




ルルを見下して言う言葉。




ルルはユエから向けられる瞳を知っていた。




奴隷を見るときの奴隷管理職の瞳と同じ。




「・・・・そろそろ戻ってもらおうか・・・」




そうユエが言うと後ろからぞろぞろと奴隷管理職の吸血鬼が出てくる。




「・・・い、いや・・・」




毎日、吸血をしていた奴隷管理職の吸血鬼たちが見える。




「・・・ユエ・・・嘘だよね・・・」




「・・・連れていけ・・・・」