血が吸えない吸血鬼。




ニコリと笑うユエ。



胸の奥がキュンとなる。



「・・・うん」



お茶が用意してあった部屋にはルルの大好物のお菓子があった。



ルルは瞳を輝かせた。




ムースケーキのようなベリーの乗ったお菓子をルルは食べる。




クスリとユエがルルを見て微笑む。




「クリームがついてる」




そう言ってユエは顔をルルに近づけて、口元についたクリームを舐めた。




ピタッと動きの止まるルル。




「ユ、ユエ・・・ッ???」




顔を真っ赤に染めるルル。




その時、部屋のガラスが勢いよく割れる。




「!」




ユエはルルを抱きしめる。




バラバラとガラスが飛び散る。




「・・・」




「・・・誰。」




ユエが低い声で窓の方に瞳を向ける。