血が吸えない吸血鬼。




「だからって、ユエが気にする必要はないはずだ。奴隷を助けるなんてお前にとってプラスはない。むしろマイナスだ。」




「瀕死だった。ほって置けないだろ。それに周りの評価なんてどうでもいい。」




・・・・要するにユエがあのルルってやつを溺愛しているのはわかった。




「話は戻るが許す気はないからな。だから早く帰れ。」




・・・・。




タオは渋々部屋を出た。




ユエはルルの部屋に早足で向かった。




「ルル、」




パタンと扉を開ける。




「ユエ?」




サラサラの髪がなびく。




紅い瞳は鮮やかすぎるくらいだ。




ユエはブラウンの瞳を細める。




「本当に勉強をしていたとは感心だよ。」




フワリとルルを抱き上げたユエ。




「ユエ、まだお勉強途中・・・・。」




「もう止めだ。それよりもお茶にしよう。」