有力吸血鬼は倒れる途中で彼女を受け止めた。
「ユエ様・・!??奴隷などにお手を貸すなど・・・」
ブラウンの瞳が細められた。
「・・・信じられない。このような幼く抵抗も出来ない弱々しい者が重労働を・・・。」
綺麗な長めのブラウンの髪が揺れた。
「このまま死んでいくのか・・・」
意識のない少女の折れそうな細い脚に重たく枷られた足枷を外すように奴隷管理職に言った。
足枷がついていた足首は紅く腫れていた。
背中には鞭で出来た傷。
ユエは自分の上着を脱ぐと少女に羽織らせた。
「この少女は貰って行く。」
「・・・ですが・・・人手が・・・」
「・・・吸血をしていたことを公言してもよいのか?」
ユエが言うと奴隷管理職は黙り込んだ。
ユエは少女を優しく持ち上げた。
「・・・軽い・・・」
彼女はそんなことも知らずに意識を失っていた。
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「・・・ん・・・」
身体を包み込む柔らかい物に目覚めた彼女は不思議に思った。
「・・・」


