血が吸えない吸血鬼。




重たい瞼。




なかなか瞼が開かない。




やっとうっすら光りが見えた。




「・・・・・」




眩しい・・・。




ふわふわな深緑のベッド。




ここは・・・・。




首を動かすとソファーに座っておそらく本を読んでいるユエの背中が見えた。




「・・・・・・ュ・・・ェ・・・・・・?」




小さな声でユエと呼ぶとユエがこちらを向いた。




「ルル!!!」




ユエは瞳を細めて微笑んだ。




すぐにルルのもとに来る。




「ルル・・・よかった。」




ルルの頭を撫でる。




ルルはハッと思い出した。




「・・・ユエ・・・・ごめんなさい・・・」




小さな声でルルは謝る。




「ルル・・・何にも知らなくて・・・ユエ・・・死なせようとなんかしてない・・・・」




ルルの瞳から涙がこぼれた。




ユエは涙を拭う。




「そんな話しは後だ。今は体調を戻すことを考えていなさい?」




「・・・でも・・・ユエ・・・」




「言うことを聞きなさい」




「・・・はい」




するとユエはルルの頭を撫でた。




「いい子だ」