血が吸えない吸血鬼。




「何も知らないくせにユエを苦しめるな」




ルルの鮮やかな瞳から涙がこぼれた。




「ルル・・・邪魔・・・」




「吸血鬼に血を吸うななんて・・・出来損ないの体とは違うんだ!」




・・・ルル・・・ユエを死なせようとなんか・・・してないのに・・・。




「ユエ・・・ごめんなさい・・・」




「そう思ってるならあなたが消えて。そうすればユエはもう苦しまない。」




そう言ったとき、お腹に鋭い痛み。




「・・・ぇ・・・」




お腹から血が出てる。




刃物が刺さってる。




「・・・ぁ・・・」




痛みにルルは倒れ込んだ。




床にはドロっとした血液が広がる。




ルルの血は特別甘い香りがした。




「死ぬ前にいい思いをしたと思いなさい。奴隷がこんな生活できっこないのよ」




「っ・・・はぁ・・・はぁ・・・」




「おい、殺すなんでやり過ぎだろ」




タオが部屋から出ていく女の人に言う。




ユエ・・・ごめんなさい。




「・・・ュ・・・・ェ・・・っ・・・はぁ・・・」




ルルの瞳から涙がこぼれる。




一方、ユエの部屋に入る女の人とタオ。




「・・・ユエ・・・」




女の人がユエの顔を撫でる。




「よく我慢したわね。」




自分の長い爪で首筋に傷をつくる。




「飲んで」




すると、ユエは意識がないまま首筋に牙をたてた。




血を啜る音が響いた。