血が吸えない吸血鬼。




「いや、遠慮しておく・・・」




ユエは手をヒラヒラさせてその場からいなくなった。




「・・・ユエ・・・?」




タオは眉間にシワを寄せた。




・・





それからタオは吸血を断ってユエの屋敷に来ていた。




ユエをあそこまで落ち込ませる原因はやはり出来損ないか?




タオが屋敷に入ると、召し使いが出てきた。




「タオ様、いらっしゃいませ。ただ今ユエ様は外出中でございます」




「あー、わかってて来てるんだから。それより、出来損ないはどこだい?」




タオが笑顔で聞いた。




コツコツと召し使いから教えてもらった部屋に向かって歩く。




わざわざ、出来損ないに部屋をね・・・・。




気に入りすぎだろ・・・。




そして着くと扉を開けた。




キィと音がなる。




「・・・・」




タオは言葉を失う。




部屋の中にいたのは、可愛らしい少女だったから。




輝くような金髪に白い肌・・・それに出来損ないとわかる紅い瞳の鮮やかさ。




まだ子供・・・・。




「・・・・だれ・・・」




ルルは見知らぬ男に怯えた声で聞いた。




「初めまして、名前は?」




「・・・・ルル・・・」




「ルル・・・ね。俺はタオ。ユエの幼なじみ。」