血が吸えない吸血鬼。




いつもジルバにくっついていた。




ユエと会ってもジルバの後ろに隠れて出てこない。




「・・・ルル?いつになったら許してくれるんだい?」




「・・・・ルル・・・怒ってない・・怖いだけ・・・」




そう怯えた声で答える。




ルルはユエの顔を見れなかった。




「・・・はぁ・・・」




「ユエ?お前らしくないな。どうしたんだよ、辛気臭い顔して。」



ある夜のパーティー。




有力吸血鬼ばかりが集まっていた。




「・・・あぁ、タオか。」




ユエの幼なじみのタオはユエの様子を見ながらワインを飲んだ。




「お前が女で悩んでるわけないしな・・・」




タオはワイングラスに入ったワインをクルクルとまわす。




「ははーん。あれだろ。最近拾ってきた出来損ないが逃げ出した、だろ?」




ユエが出来損ないと暮らしているのは結構な噂になっていた。




タオが"出来損ない"と言った瞬間、ユエがタオを睨んだ。




「・・・おいおい、そんな睨むなよ。でも図星か?」




「・・・逃げ出せるわけないだろ。逃げ出したところですぐに確保される。」




「・・・じゃぁ、何が会ったんだよ。」




「・・・」




ユエは黙り込んだ。




すると、何人かの女がやってきた。




「ユエ様にタオ様、私たちの吸血のお相手になっていただけないかしら?」




艶やかな女たちが言う。




タオはニコリと笑う。




「もちろん。構わないよな、ユエ・・・?」