「・・・・っ・・・!!!????」
廊下でユエと女の人がお互いの首筋に牙をたてていた。
一気に恐怖に染まるルル。
「・・・ゃ・・・ぃゃ・・・・」
その場から去ろうと震える足で後ずさりをした。
すると、いつの間にか手から落ちていた紙を踏んでしまった。
カサッ。
静かな廊下には音がいやに大きく響いた。
「・・・あら?誰かいるの?」
艶やかな女の人の声がした。
ルルは恐怖から足がすくんでいた。
必死に声を出さないように、口に両手を当てていた。
「ルル・・・・?」
「・・・・!!!???」
いつの間に来たのだろう。
女の人とユエがルルの前にいた。
「・・・・・・・・」
いつもと同じはずのユエの声が恐怖に聞こえた。
ユエの瞳は紅く光り口には鮮やかな血がついていた。
「ルル・・・何でここにいるんだい・・・?」
動けずにいたルルにユエが手を伸ばした。
それが少し前まで無理矢理されていた吸血と重なる。
「・・・っぁ・・・・あ・・・・ゃっ・・・・」
ルルはユエの手を振り払って走り出した。
「ルルっ!?」
ユエが驚いた声を出した。
ルルは無我夢中に走る。
捕まったら痛い思いをするんだ。
ユエの紅く光る瞳と口についた血が忘れられない。
少し走るとルルは足が絡まって転んだ。
「・・・痛・・・」
「・・・ルル。」
ビクリと声のする後ろを見た。
薄暗い廊下に妖しく光る瞳。
「・・・・こ、こないで・・・・いや・・・」
ルルは震える声で言った。


