「ジルバ、ルルに冷たい布を持ってこい。」



ユエが言うとジルバが廊下で返事をした。



しばらくするとルルは泣きつかれたのかそのまま眠ってしまった。



「・・・」



「ユエ様、持って参りました。」


「あぁ、ルルの瞳の上に置いて。泣いたから冷やさないと瞳が腫れる。」



ユエがベッドに寝かせたルルの瞳の上に置いた。



「家庭教師はもう着けない」



「畏まりました」



「傷ついたルルを更に傷つけるなんて・・・」



そう言ってルルの髪を触る。



「ユエ様、一つお聞きしてもよろしいですか?」



「よい。」



「何故ルル様をお連れしたのですか?ルル様をお連れしたら・・・」



「ジルバ、一つだけだろう」



「すみません・・・」



「ルルを連れて来たのは何故かわからない。ただ・・・ルルがあんな瞳で働いているのが見ていられなかった。」



ジルバは黙って聞いていた。



サラサラな金髪を手でとくユエ。



「奴隷の中でもあんなに光りのない瞳はルルだけだった。それに・・・昔の自分に似ていたのかもしれない・・・。」