夢の跡~はかなく消えて~

見上げる夜空の星座が

居場所を移る

携帯の待ち受けを確認する

……もう、午前一時かぁ

(何時に、今日は帰るのかなぁ……)


もう、
午前零時を過ぎるのは
当たり前で、

散々な思いを

味わってきた……。

前は、

何度も携帯を鳴らし

何度もメールを送り

泣いたり……

怒ったり、

別れ話を切り出し
のらりくらりと
実に
惨めな気持ちになった……

裕二は

かわらない

それどころか

得意気に
生きているのがわかる。

たまに、
一緒にご飯を食べてる
裕二の姿を
まじまじと視ては

(……こいつも 生きてるんだぁ…… モグモグ食べてる……すげぇ)

と思って観察してしまう。

たまらずに、

『裕二、生きてるんだね……?』

と口走る私には
裕二は、

びっくりした眼差しで見返す

『……なに…言ってるの?…真紀…変、』

これが 私達の最近
一番弾んだ会話だ……。