夢の跡~はかなく消えて~

真紀は、
携帯のアドレスを開き
「まい」宛にメールを打ち始めた。


『まい、今夜はバイト入ってるよね……。
バイト前に逢えるかなぁ……アタシ迎えに行くから』


♪♪♪

ま)『いいよ!じゃあもう準備しちゃうね!待ってるね』



もう……プライドも屁ったくれも無い

「まい」に話したい
聴いて貰いたい……
誰でもいい
背中をお押して貰いたい
一緒になって
怒りをあらわにして欲しい……。

その想いが纏い促す
半ば放心状態の真紀の行動だった……。


その後に裕二へと メールを打ち始める。


『なんか分からないけど 独りに成りたいから、
これから出掛けます』

……送信……


なんとも
未練がましい……
意味深なメールを送信した事に自分で腹がたって来た……

(これでは 手の内を見せたも同じじゃん…。)

でも
何も無かった様に
メールを作製する事は
今の真紀にはかなり難しい……
怒りが修まらないのだ

どうせ 浮気されてると心では諦めて来た日々でも
目の前に証拠を置かれたらへたれる……。

何よりも、心の裏側では 浮気など無いと信じて居た、ずっと信じたくて居たのが真紀の本音だからだ。


本当なら会社だろうが
のり込んで話をしたい…… でも、怖さもあるのが女子なのだろ……。


この瀬戸際が女子には微妙なラインだ。

ここで、健気に気持ちを訴えるか、容赦無く切り捨てるか、
どちらへ一歩踏み出すのか勢いの微妙なライン。

どちらに転んでも状況は変るだろう……ただ、
【転んでも只では起きない】
部分の違いは両方あるから難しい……

どちらも、正解だし
どちらも 後悔に繋がるからなのだろう。