帰り道

女はいい匂いに誘われた


「チョコレート?」


気がつくとその女は
店の前にいた


「いらっしゃいませ」


そこにはフランス人形の
ような女の子


「あ、ごめんなさい」


「いえ、余程お困りのようですね」


「え?」

「お困りではない方にはこのチョコレート屋さんは見えませんから」

「そうなの?」

「はい、あなたが求めているのはどんなチョコレートですか」

「え?」

「あなたはもし悩みが解決できるとしたらどうしますか?」


「ほんとに!?」


女の子はにやっと笑った



「はい」