「…はぁ、はぁ」 間一髪ってとこで部屋に入り込んだあたし。 目の前の人は目を見開いて驚いているって感じだろう。 …ずっと下を向いて息を整えているから見えないけど。 「ちょ…っと…あんた、何なわけ?」 あまり走っていないとはいえ、今までにないぐらい焦って走ったものだから息切れが耐えない。 『あ、帰ってきたの』 …はい? 人が必死でいうなか、返ってきたのはこんな答えだった。