僕等の夏 〜市大会〜

一度額から汗を拭った。
「光中生!!」
審判に呼ばれ、バックネットを運ぶ事になった。
そろそろ試合が始まる。


━━━……30分後


「バカになるぞー!!!」
『おー!!!』
また円陣を組んでいた。
「ベンチ前集合!!!」
シートノックも終わり、プレイボール直前。
審判の合図で両チームが綺麗に並んだ。
睨み合うように汗を滲ませたユニホームを身につけた選手達が熱気を帯びさせる。
……暑い。
お腹が痛くなりそうだ。
体に微熱を含むのを感じた。
佐藤さんが「上を見ろ、ソフトの女神様が見えるだろう。」と言った。
上を見る。
『………え、』
みんなの声が揃いも揃って引っくり返る。
低空飛行した鳩がマウンドに止まったのだ。
「女神だ……」
そう誰かが呟くと、蒼く高く澄んだ空に祈りを掲げた。
‘勝たせて下さい’
ただそれだけを。
「集合っ!!!」
『おー!!!!』
みんなが中心部に集まる。
一礼し、ベンチに戻った。
あの鳩はいつの間にかあの高い空に飛んで行っていた。
「プレイボール!!」
審判の掛け声を始めて、一番バッター。
先行光中の攻撃が始まる。