王様と庶民




亜子は私を見て一瞬驚いた顔をしたが、すぐに屋上のベンチに視線を移した。
そこに座り、口を尖らせて私を見ている。



私も座れっていう事かな?

そう思いベンチに座ろうとしたら、背中を足で蹴られた。

地面に尻餅をついてしまった。



痛っ…いつにも増して蹴る力が強くなってる気がする。
イライラしてるのかもしれない。



しかし、ここで怒らせてしまったら私の命も危ないと思い、地べたに正座した。





「…話ってなに?」



私は亜子にそう聞くと、一瞬亜子は躊躇った顔をした。

…というか何か言いたげな顔で私を睨んだ気がする。


「アンタさ、いい加減目障り。消えてくんない?」





こいつ…これだけ言う為に私を呼んだのか?

私は怪訝そうに亜子を見た。