「こっち向けって。」

「ちょっ・・・。」

劉は、あたしを後ろから抱きしめて

首だけ劉のほうに向かせた。

「お、真っ赤。」

「ばかっ。恥ずかしいでしょっ。」

「はぁ?なんで?いつもやってんじゃん。」

劉は少しだけ不思議そうな顔をしていた。

だってさ、

ちょっとくらい、意識するじゃん。

さっきの

“ヤりたくなる”

って言葉。

そっから、ちょっと劉に触れると

なんか恥ずかしくて。

意識して、心臓がドキドキする。



「もーへーき。だから、離して?」

「なんで?」

「だって、このままじゃ歩けないでしょ?」

あたしはふぅ、と深呼吸して

劉の顔を見た。

「お、もう真っ赤じゃねーんだ。」

「なおった。」

っていうか・・・

意地でなおしたんだけどね。

そうでもしないと

顔が火照って、熱が出そうだったから。