「あら、高校生とは思えないくらいはしゃいでるじゃない。」

「う”っ・・・。」

「そこが可愛くていいんですよ。」

劉が、いつもの笑顔を見せながら

母さんに言った。

「あらあら、そーかもねぇ。」

母さんは、少しだけ可笑しそうに笑っていた。



「んじゃ、そろそろいくか。」

「うんっ。じゃーね、母さん。」

「夜には連絡しなさいね。心配だから。」

「わかってるって!」

「劉君、忘れてたら言ってあげてね?」

「はい。」

母さんも、あたし達の雰囲気で

つき合ってることはわかってるみたい。

もう、否定する理由はないけど・・・

ちょっとだけくすぐったいっていうか

恥ずかしい。

「楽しみだな。」

「うんっ。」

あたしは劉と手を繋いで

駅までの道のりを歩いた。

後ろで母さんが

「青春ねぇ。」

なんて、呟いていたことは

あたしも、きっと劉も知らないだろう。