夢の中で見た君。

「な、何・・・?」

「部屋まで連れてってやる。ついでに俺も眠てぇし。」

ふわっと、ベッドに下ろされて

その隣に、劉も寝転んでいる。

「・・・狭く・・ない?」

「全然。お前、ちっさいから。」

「そ・・う・・?」

「だから、もっとこっち寄れって。」

劉にぎゅっと引き寄せられて

すっぽり腕におさまる。

「おやすみ、優奈。」

「・・・うん・・。おやすみ・・。」

真っ暗な中

少しだけ、劉の匂いが

鼻腔をくすぐった。

なんでだろう

ほんの少しだけ、

懐かしい匂いだった。