「おーいっ、優奈ー。」

「あっ、劉。」

「終わったぞー。」

「じゃ、帰ろっか。」

劉はなんという偶然か

あたしとおんなじクラス。

でも、初日からサボったもんだから

センセーに呼び出されていたのだ。

「じゃーね。ハルちゃん、鏡ちゃん。」

「「ばいばい。」」

劉はあたしの手を掴んで

ぎゅっと握る。

はたから見れば、思いっきりのカレカノ。

でもあたしは

まだちょっとしか、恋愛がわからない。



「明日だなぁー・・・。」

「だね。そいや、いいお知らせ。」

「どした?」

「劉のおかげで、ちょっと恋愛がわかったかも。」

まだ思いは伝えないけど

これくらいなら言ってもいいかな。

「・・・まじ?」

「うん。なんか、ちょっと。」

一緒に居たいって思える気持ち

わかった気がする。

ドキドキするのに

一緒に居たいんだよね。

「あたし、劉のこと・・。ちょっとは好きだよ。」

あたしは思わず

伝えないことにしていた気持ちまで

伝えてしまった。