さてはて、時がすぎるのは速いもので。

体育祭も明日に迫ってきておりました。

「ハルちゃん、鏡ちゃん。」

「あっ。優奈。」

「優奈ちゃん。」

めんどくさい、石拾いボランティア。

あたしのクラスはなぜか、強制だったから

あたし達女子3人は、教室でサボることに。

「あ、そうだ。優奈ちゃん、あれから進展しました?」

「何が?」

「彼氏さんとですよー。」

ニコニコ、と笑顔で

あたしに顔を寄せてくる鏡ちゃん。

んー・・・

彼氏じゃないと思うんだけどなぁ・・・

一応。

「何かあったんですか?」

「あのさ。なんかすっごく胸が苦しくなったの。」

あの時、別に怖いことなんかなかったし

びっくりして驚いたわけでもない。

なのに、しばらく動悸が治まらなかった。

「それは、ドキドキしてるからですよ。」

「誰に?」

「もちろん、彼氏さんに。本当に、経験ないんです?」

「うん。」

ないから困ってるんじゃん。

「ふふ、早く認めてしまえばいいのに。」

「何を?」

「・・好きなんですよ、きっと。」

もう誰が、とは聞かなかった。

だってだって

劉が好きなのかもしれないって

思ったことがあったから。