「あたし、劉と会えてよかった。」

「・・・俺もだし。」

「あたしの夢、1コ叶ってるんだからね。」

子どもの頃からの夢。

やっと叶ったんだから。

後は・・・

ちょっとでも、変なのに

襲われないようになれば、いいんだけど。

「こっから。お前数学苦手なの?」

「悪かったわね。ちょー苦手よ。」

「いいんじゃね?やればわかるって。」

劉が、思ったよりもずっと手際よく

あたしに教えだす。

ぶっちゃけ、センセーよりずっと

わかりやすかった。

「・・・で、こうなるわけ。」

「劉頭よすぎ!すっごいわかりやすい!」

「ったく・・・。これくれーなら、なんでも教えられる。」

劉ってすごすぎ。

どんだけ頭いいの!?

「お礼。」

「へ?」

「お礼のキス、ちょうだい?」

「・・・。」

「恋人同士って、こーゆう感じだぞ?」

「ほんとにー?」

お礼にキスするのが、恋人流なの?

なんか恥ずかしくない?それ。

「ほら、早く。」

「・・・チュっ。・・おしまいっ!」

ちょっとだけ、唇が触れるくらいのキスを

劉に贈った。