「っと、範囲ここからだっけ?」

「そーだよ。範囲くらい覚えろや。」

「無理。こんなに広いんだよ?」

変な妖とか、見えるけどさぁ

一応身体は人間なんだから。

そんなに覚えられるわけないじゃん。

「変なとこだけふつーだなぁ。」

「あたしはふつーになりたいの。目もふつーならよかったのに。」

今まで何度思ったことか。

でも、もういいかげん諦めた。

「俺はお前が、ふつーじゃなくてよかったけどな。」

「なんでよ。」

「ふつーだったら、俺と会えなかったかもしんねーじゃん。」

「・・・。」

そんなこと言われたら、ふつーじゃなくても

いいかなぁ、なんて

らしくもないこと思っちゃうじゃん。

でもね。あたしは・・・

たとえ、あたしが普通だったとしても

アンタと会えたと思うよ?