「まだ引きずってんのー?」

「だ、だってぇ・・・。」

どうも、忘れられないんだよね。

黒い髪で、目がすっごく切れ目で

クールでミステリアスって感じ?

そんな君が

忘れられない。

夢の中のことなのにね。

「んで?いつ迎えにくるんだって?」

「あたしが、何とかになったらって。」

「何とかってなによ。」

「覚えてないの。そこだけ。」

君の顔は、まだちゃんと覚えてるのに

言われた1番大切なところだけが

思い出せない。

「それじゃあ、わかんないじゃん。彼氏、ほしくないのー?」

「ほしいけどさぁ・・。」

こんな気持ちのまま、人となんか付き合えないよ。

「んじゃ、忘れちゃいなよ・・・ってきゃあ!」

「ハルちゃん!?」

いきなり悲鳴を上げたハルちゃんのほうを見る。

すると、

ハルちゃんの足は、真っ赤な血がついた手に

掴まれていた。