「さっき、空飛んできたろ?そん時にとーろくした。」

しれっと話す、劉。

あたしの見てないところで、登録してたのか・・・。

確かにあの時、あたし目ぇ瞑ってたもんね。

「にしても、悪魔もケータイ持ってんだ。」

「ココにきてから買ったんだし。」

「へぇー・・・。」

明らかに、人間に馴染んでるなぁ・・。

そんなことを思いながら、劉を見つめた。

「・・・何見てんの?俺に惚れた?」

「ば、バカっ・・。んなわけないでしょっ。」

「じゃあなんでココに来てくれたの?」

「・・・そ、それはっ。」

言葉につまった。

思わず、好きだから

なんて伝えてしまいそうになったから。

でも、ホントはね。

あたしに“好き”なんて気持ち

わかんないんだ。

「・・・アンタと話してもいいかなぁって思ったから。」

「ちぇ、好きだからじゃねーのかよ。」

お約束の反応。

好きっていうのは、色々あって。

ハルちゃんや、鏡ちゃん達のことが好きっていうのも

1つの“好き”の形。

母さんや、父さんが好きなのも

違う“好き”の形。

じゃあ、恋愛の好きは

どっちの“好き”に似てるんだろう・・・?

「何難しい顔してんの?」

「劉、あたしはね。・・・恋愛の好きがわからないや。」

このとき、こう劉に打ち明けたのは

何かを期待したから?

何かが変わるかもって、思ったから

・・・なのかな?