屋上までの階段を駆け上がって

ガチャっとドアを開ける。

その瞬間、気持ちのいい風が

あたしの身体を包む。

「おっ。優奈っ。」

「・・・劉。」

ちょっと恥ずかしかったけど

いつもどうりにしなきゃ、と

声をかけた。

「ゆっくり話がしたかったんだ。優奈と。」

「あたしと・・?」

「そ。後、コレあげたくて。」

チャリ、と音を立てて見せてきたものは

ブレスレット。

キレーな鎖みたいなデザインで

なんとなくダークな雰囲気を醸し出していた。

「ソレ、あたしに?」

「コレつけてたら、変なのには襲われないから。」

「へー。お守り?」

「違う。俺のものっていうマーキング。」

あ、あたしは劉のものなんかじゃないもんっ・・。

そんな風に思っていながらも

劉にパチンと、ブレスレットをはめられてしまう。

「ぜってーはずすなよ?」

「う、うん。」

そういった目が、あまりに真剣だったから

思わずあたしは頷いた。

「そ、そういえばっ!」

「ん?なんだよ。」

「なんでアンタ、あたしのメアド知ってんの!?」

あたしは、さっきまで1番聞きたかったことを

劉にきいた。