「今、顔赤いだろ。」

「あ、赤くなってなんかないしっ!」

「嘘付け。俺は何でも知ってんだよ。」

はぁ?

なんで?

あたしは、夢の中でしか、コイツと会ったことはない。

なのになんでコイツは

あたしのことを知ってるの?

「ずっとお前を見てたから。」

「あたしは、アンタとは会ったことないわよ?」

「俺が、お前を見てただけ。」

じっと見つめられると

なんか、変な気分になる。

ずっと昔から隣にいたような

ホントに懐かしい。

会ったことなんか、なかったはずなのに。

隣にいると、すごく安心する。

「お前、昨日怖かったろ?」

「べ、別に。あんなのいつものことだし。」

「・・・強くなったな。」

そう言って、あたしの手を握ってくる手は

悪魔とは思えないくらい温かくて。

・・・ちょっとだけ

このまま隣にいたいと思った。