劉は渋々といった様子で

担任のセンセーの後ろを歩いていった。



「あれ、劉君は?」

「呼び出しだって。先帰ろ?」

「アンタ大丈夫なの?」

「うん。」

ハルちゃんにも、少しだけ無理して

笑顔を浮かべた。

でも・・・

ハルちゃんにも、鏡ちゃんにも

それは通じなかったようだ。

「アンタ、怖いんでしょ?」

「優奈ちゃん、無理するのはよくないですよ?」

2人共、あたしの本当の気持ちを覗きこむかのように

瞳を見つめてくる。


こんなにまっすぐ見つめられたら

嘘つけないじゃんか・・・。


「怖いけど、劉に迷惑かけられないもん。」

「・・・わかった。」

「えっ・・・?」

ハルちゃんは、そう言ってあたしの手を引いた。

「あたし達が守るから。」


初めてかもしれない。

友達が、

いや・・親友が


こんなに頼もしく、大きく見えたのは。