「とりあえず帰るぞ。理由はまた説明するから。」

「う、うん・・。じゃあね、鏡ちゃん。」

あたしは、ポケットに忍ばしている小柄があるのを確認して

鏡ちゃんに言った。

「はい。・・何かあったら連絡くださいよ?」

「うん、ありがと。」

あたしは、鏡ちゃんにバイバイと手を振って

劉の横に並んだ。


そして、薄暗い夜道を歩き出した。




「その傷、どうしたの?」

「・・・襲われた。」

「誰に・・?」

1番怖いことを

あらためて劉に聞く。

若干、唇が震えていたかもしれない。


「妖。迎えに行く途中に襲われた。」


・・・やっぱり。

っ・・・

あたしの身体が

あたしの存在が

劉を傷つけたんだ。