「鏡ーっ!お客様よーっ!」

「あっ!はーいっ!・・行きましょう、優奈ちゃんっ。」

「うんっ。」

きっと、劉だ。

1時間も遅れるなんて

何か用事があったんだよ、きっと。

そう、自分に言い聞かせながら

あたしは鏡ちゃんの後ろに着いていった。




「劉・・君・・?どうしたんですか!?その傷!?」

「ちょっとな。」

「劉・・・?どうしたの・・・?」

「お、優奈。遅くなって悪かったな。」

「そんなのいいから!それより、その傷・・。」

劉の身体は

見てすぐわかるほど、傷だらけだった。

かすり傷だけど

すっごく痛そうに、血が滲んでいる。

「大丈夫っ!?」

「へーきだっての、これくらい。」

「これくらいじゃないでしょ!?すっごい痛そう・・。」

なんでこんなに傷だらけなの?

誰かとケンカしたの?

それなら、よくないけどまだいい。

あたしの嫌な予感。


・・・あたしを狙う妖に

襲われたんじゃないの・・・?