「散れ!コイツは俺の女だ!」

『アクマガキタ!』

『ニゲロニゲロ!』



「おい、優奈!大丈夫か!?」

「りゅ・・劉っ・・・。」

「お前、何1人で外出てんだよ!?」

「ご、ごめっ・・・買い物っ・・頼まれてっ・・・。」

「・・・わりぃ。・・怖かったよな。」

安心させるように、劉があたしの背中を優しく撫でた。

怖かった、怖かったよぉ・・・

あたし、あのまま死んじゃうのかと思った。

やられちゃうのかと思った。



「何頼まれてんだ?」

「卵と、お醤油・・・。」

「んじゃあ、俺がついて行ってやるから。1人で行くなって。」

「うん・・。ごめん・・。」

涙を止めるために、目をゴシゴシ拭う。

でも、1度泣いたら

すぐにはおさまらないことくらい、知ってるんだ。

「劉っ・・。」

「優奈?って、まだ泣いてんのか。」

「だってっ・・・おさまんないっ・・・。」

「・・・だよな。」

劉はそう呟くと

道の端に移動して・・・

「んんっ・・・。」

「俺が泣きやましてやる。」

そう言って、あたしにキスしてきた。