それから、5分後。

「お、ちゃんと待ってたな?」

「りゅ、劉が言ったんでしょ?」

「そうだったな。」

そう言って、微笑んだ劉は

あたしにベッドに寝転ぶよう言った。

・・・?

もう散々寝たのに・・・。



「わっ!つべたっ!」

「っと、わりー。驚いた?」

どうやら劉は

冷たいタオルを目に当ててきたらしい。

「もしかして・・・目ぇ腫れてるの、心配してくれてる?」

「・・・俺のせいで泣かしたようなもんだから。」

「そ、そんなことないってばっ!」

劉にはいっつも笑顔貰ってる!!

劉が責任感じる必要はないのに・・!

「お前、あれからかなり泣いてたぞ?」

「・・・見てた・・んだ。」

「ずっと見てた。見てないと優奈がどっかに行っちまいそうだから。」

「あたしは・・どこにも行かないのに。」

あたしは、劉の隣にいるよ?

“ずっと”とか“絶対”とか

そんなことは言えないけど。

今のあたしの目には

劉しか映ってないんだから。

「ほら、次は蒸しタオル。」

「ん、ありがと。」

ぽん、と目の上にのせられて

じんわりとした熱が、伝わった。



「劉・・?」

「ん?なんだよ。」

「・・・ありがとね。」

このときあたしは

あまりの劉の優しさに泣きそうになったんだ。