そして、屋上にて・・・。

「んで、渡したいものって?」

「こ、これっ!!」

あたしは突き出すようにして

チョコを劉に渡す。

さっきまで、全然へーきだったのに

屋上までの階段を上ってきたくらいから

鼓動が早くなって・・・

着いた頃には、劉の顔がまともに見れないくらいになっていた。



「・・チョコ?」

「そ、そうっ!今日、バレンタインだからっ!」

「・・・俺に?」

「決まってんでしょ!?」

劉は、目をぱちぱちしながら

あたしの顔を覗き込むようにして見てくる。

もーっ///

恥ずかしいんだってば///

「・・・さんきゅーな。」

「ふ、ふんっ。す、好き・・なんだからねっ。」

「・・わかってるよ。」

ぷいっとそっぽ向きながら

それでも伝えたいことを伝える。

いつもなら、恥ずかしすぎて

口が裂けても言えない言葉だけど。

チョコの甘いにおいと空気に任せて

口を動かす。

いつも伝えられない

“好きだよ”

の気持ち。

・・・ちゃんと伝わったかな?