「・・・優奈・・。」

男の人の声がする。

「・・・?」

「優奈、目を覚まして。」

「・・・ん・・?ドコ・・ここ・・。」

「・・・気がついた?」

「きゃ、きゃあっ!!」

あたしは、慌てて飛び起きた。

どこかわからない場所。

さっきまで、あたし・・・

そう!引き込まれそうになってたの!

な、なんで助かってんの!?

「優奈、俺のこと覚えてる?」

「あ、あああ・・・。あなた・・・。」

「ん?」

あたしの前に現れたのは

幼い頃の夢に出てきた、男の人。

な、なんなの!?

夢見てるの!?

「優奈?」

「な、なんであたしの名前知ってんの?」

「・・・俺の顔に、見覚えない?」

「・・・夢の・・。」

「覚えてたんだ。」

「・・・うん。」

や、やっぱり間違いない。

でも・・・

なんでここにいるの!?

「なんでここに居るの!?」

「こら、勝手に起きんなって。怪我してんだから。」

「えっ・・・?」

「ここ。血ぃでてんだろ?」

「わっ・・・。」

掴まれてたとこだ。

真っ赤な血が、滲んでいた。

「迎えにきたぞ。」

「・・・?」

「お前、今15だろ?」

「うん・・。」

「言ったろ?お前が15になったら、迎えに行くって。」

“あたしが、15になったら・・・?”