「やっぱ近くで見てもキレー。」

「優奈?もうきてっぞ?」

「あっ!ゴメンっ。」

劉に言われて

観覧車に乗り込んだ。



「ゆっくり・・・だねぇ。」

「そりゃあな。速かったら怖えーだろ〔笑〕」

「それもそーだね。」

ふふっと笑いあって

あたしは視線を外に移した。

高くて、ジェットコースターの看板とかが

キラキラして見えて。

なんか、すっごく

輝いてて。

こっちまで自然と

笑顔になれる気がするんだ。



「・・な、優奈。」

「わきゃっ!な、何よっ!?」

ふっと振り向くと

すぐそこに劉の顔があって。

驚いて少しだけのけぞる。

「お前、今日景色ばっか見てるよな。」

「そ、そーかなぁ?」

確かに、そうかもしれないけど。

覚えておきたいんだ。

空の色とか、景色とか。

劉とデートしたっていうこと全部を。